「ランチタイム」 宗介編 作:日菜月あづみ嬢

    ランチタイム  <相良宗介編>    Written by 日菜月あづみ






千鳥かなめ。

陣代高校二年。

生徒会副会長。

成績は、中の上。

運動神経は、並以上。

容姿においては…「恋人にしたくないアイドルナンバーワン」という異名を持つくらいであるから。

それも、並以上と言えるだろう。

『アイドル』というものが、どういうものなのか。

それくらいは、自分も把握している。




しかし、彼女は、料理が上手い。




かなめお手製の昼食を頬張りながら、宗介は更に考えを巡らせる。





それに、面倒見もいい。

それ故の優しさもあるし、指導力もある。

現に、彼女は、クラス委員を努めている。



何より、いざという時の行動力には、目を見張るものがある。



俺自身、何度も助けられているし(護衛という立場からすると、情けない話ではあるが)

あらゆる戦場を潜り抜けてきたスペシャリストの目から見ても、凡人にはない、長所といえるだろう。





つまり、客観的に見ても、彼女は良い『伴侶』となり得るのではないだろうか。





…客観的?

そうでないとしたら、どう見るというのだ、俺は…。







「どしたの、ソースケ?」



不意に声を掛けられ、振り向くと。

かなめがフォークを持ったまま、こちらを見ていた。




「いや…」




宗介は、かなめ手製のサンドイッチをくわえたまま、短く返事をすると。

それをきちんと味わい、飲みこんでから、言った。





「美味いぞ」






宗介の言葉に、かなめは一瞬キョトンとしてから。

「当たり前だ」とでも言うように、自慢げに胸を逸らした。





「しょーがないわねー。また、作って来てあげるわよ」





そう、屈託なく笑う。

あの一言に込められた多くの意味を、彼女が、知る由もない。













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