「すまん、この段階で爆破をする仕掛けではなかったのだ。まだ改良の余地がある」
「そういう問題じゃない! ここだろーがどこだろーが、爆破なんてしちゃいけないのよ!」
「しかし、千鳥。ゲリラはどこに潜んでいるかわからないのだぞ」
「いないわよ、校内にゲリラなんてっ!」
「奴らを甘く見てはならん。奴らはASの不可視コードにも匹敵するほどの能力を有し、さらにはセンサーすら欺く――」
「うるさい! ゲリラもコブラもゴリラもこのさいどーだっていいの! 問題はこれよ!!」
 そういうと、かなめはぷすぷすと煙を上げる、黒炭のバスケットを指差す。
「あんたね、あたしがこれを作るのに、一体どれだけ苦労したのかわかってんの!?」
「ふむ…………」
「色んなお店まわって、ライ麦パンと黒糖パン買ってきて、生ハムとツナとたまごとレタスときゅうりとトマトとチーズと、中身だって色んな味用意してっっ」
「むう…………」
「戻しなさい、今すぐ! 元通りにしてみせなさい、今ここで!! 原子レベルで再構成して、あたしの前にもとの姿をさらしてみせなさい!!」
「――千鳥、それはどのような科学者でも不可能というものだ」
「真顔で言うなっ!!」