クラスメート 朝の日課
朝の日課 編
また。
またあいつだ、早乙女乱馬!
遅刻の常習犯にして、風紀違反の常連者っ。
何度言ったって、どれだけ注意したってきちんと制服を着用しようとしない、チャイナ服を着てるヘンな奴。
今日もまた、遅刻ギリギリにやってきては、閉まった門を見るやいなや、跳躍。
高い、高いフェンスに向かう。
軽々と頂点を超える。
こちら側へと下降しながら、こっちを見る。
してやったり――って顔をして、あたしの方を見るのだ。
もう、腹が立つわね。
あの早乙女乱馬って奴はあたしのことをバカにしてる節がある。
いつも上からあたしを見下ろして、笑ってる。
悔しい。
なによ。なんなのよ、あいつっ。
今日こそは、絶対にとっ捕まえてやるんだから。
見てらっしゃい!
毎日毎日、早乙女乱馬を追いかけて、追いかけて。
悔しくって負けたくなくて、
だけど、いつからかそんな毎日が楽しくなっている。
あいつの姿が見えない朝は、なんとなく調子が出ない。
時計の針とにらめっこしながら、ちらちらと校門に目を走らせてる。
そんな自分に、あたしは気づく。
ヘンなの。
なによ。
胸の中がもやもやする。
腹が立つけど、でもイヤな気分じゃない。
よくわからない感情を持て余して、あたしは困って弱って
そして、ちょっと笑う。
遅刻撲滅週間。
今週こそは逃げられないからね。
覚悟しなさい、早乙女くん!