10 : たとえ、たった一瞬だったとしても、確かに愛されていたのなら、それだけで私が生きた意味になる。



　寂しいけれど、さよならは言わないわ。
　きっとまた、再びあなたに巡り逢うことができると、あたしは信じているから。

　だから、「またね」で別れましょう。
　あたしは忘れない。
　あなたが与えてくれた喜び。
　あなたを見つめるだけで、あたしは幸せだったのよ。

　いつか、また。
　あなたを抱きしめる日が来ることを、あたしは心から祈っている。
　手放すあたしを許してね。
　大事な大事な、あたしの一万円札。