「これでおしまいね」の合図が出たところで、キョーコはあきらめた。
(カナちゃん、こうなると頑固だからなー)
 このまま自分がいると、きっと相良宗介の元へは行けないだろうと判断し、彼女は別の級友の机へと向かった。
 かなめのことだから、用が終わればなんでもない顔をしてこちらに来るだろう。

 一方のかなめは、キョーコの一言で、急激にどぎまぎしはじめている。

 まったく、キョーコったら。いきなりなに言い出すのよ。
 別に深い意味なんてあるわけじゃないんだし。
 そう! そうよ!
 食べないなんて言おうもんなら、もう金輪際夕飯にも招待してやらないって脅しつけてやる。

 よしっ!

 鼻息を荒くして、かなめは突進した。