「あんたね、前々から思ってたんだけど、そこはかとなくあたしのことバカにしてるでしょ」
「…………、また見逃した。わからん、一体どこに所持しているんだ千鳥」
「やかましい!」

 力いっぱい怒鳴りつける。

「いつもいつも問題ばっかり起こして、そのたんびに学級委員のあたしが後始末する羽目になるし、生徒会のことだって……。もう、とにかくうんざりなのよ!」
「千鳥、その発言はよくない」
「はあ?」
「要職についている者には、それなりの重責が生じる。その責を担うのが仕事なのだ。その君が「うんざりだ」などと言うのは間違っている。誰か、その地位を狙う者が会長閣下殿に進言しないとも限らない」
 すっと息をつめると宗介は言う。
「地位ある者を貶める方法というのは、意外に簡単なのだ。例えば、千鳥かなめは○○(ピー)であるという旨を無作為にばら撒く。大衆というものは流言飛語を頭から疑うこともなく――」

 すぱーん!